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抄読会 2016/8/8

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では、イギリスの大規模研究(Whitehall II研究)のデータを使用し、長時間労働がうつ病との関連を調査した論文が取り上げられました。イギリスの公務員10308名の中から,除外包含基準を満たした2123名が解析の対象となりました。ベースラインの協力者の人数と5年間の間にうつ病を発症した人数の差をχ2検定した結果、若年、女性、職責の低さ、慢性疾患の併存、適度な飲酒習慣に差が見られた。これらの社会経済的背景を調整しながら実施されたロジスティック回帰分析の結果、平均的な労働時間の群と比較して一日11時間以上労働している群の方が約2倍うつ病の発症率が高かった。本論文の抄読を受けて、医局内では、大規模疫学研究の統計的手法や、職業の違いによるうつ病の発症率に差を考慮する必要性が議論されました。

 

Virtanen, M., et al. Overtime Work as a Predictor of Major Depressive Episode: A 5-Year Follow-Up of the Whitehall II Study. PLoS ONE 2012.

http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0030719