News お知らせ

抄読会 2016/6/13

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会は初回エピソードの統合失調症患者における抗精神病薬の反応性を検討したRCTの論文が取り上げられました。15歳から40歳の若年の統合失調症患者に無作為でアリピプラゾールとリスペリドンの治療群を割り付け、3か月の間の比較効果検証がなされました。その結果、陽性症状に対する治療効果は両薬物において差がなく,陰性症状と抑うつ症状に対してはアリピプラゾールの方がやや良好な治療効果が見られました。一方,アリピプラゾールの使用の場合にはアカシジアの発生が多い結果が見られました。このことから、症状の改善という点ではアリピプラゾールの使用の方が望ましいように考えられますが,アカシジアが強い場合にリスペリドンの使用を考慮する方がよいという結論となりました。本抄読を受けて、軽症から中等度の初回の使用は両薬剤のどちらを使用しても長期的な治療効果に差はないものの重症の場合ではこの限りではないこと、アカシジアや肥満などの副作用の観点も含め薬剤の選択をする必要があること、アカシジアの症状にも差があることからどこまでを副作用と考えるかは難しいという議論がなされました。

 

Robinson, D. G., et al. A Randomized Comparison of Aripiprazole and Risperidone for the Acute Treatment of First-Episode Schizophrenia and Related Disorders: 3-Month Outcomes. Schizophr Bull. 2015 Nov;41(6):1227-1236.