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抄読会 2016/5/23

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

 本日の抄読会では,双極性障害(BD)と診断された者の中の境界性パーソナリティ障害(BPD)の合併率と,BPDと診断された者の中のBD患者の合併率を検討した研究のメタ解析した論文が紹介されました。その結果,BD患者におけるBPDの合併率は21.6%BPD患者におけるBDの合併率は18.5%という結果が報告されました。本研究から,BDBPDの合併は約5名中1名であり,決して少ない数ではないことが示されました。しかしながら,ICDDSMの操作的診断基準では,BDBPDの診断鑑別すること自体が困難であるため,正確な合併率を評価することには限界があるとの意見が多く上がりました。精神科臨床においては,横断的な症状にのみにとらわれるのではなく,縦断的な症状経過やその他の要因を多角的に評価し診断や薬物治療を行うことが重要ではないかという議論が交わされました。

 

Fornaro, M., et al. The prevalence and predictors of bipolar and borderline personality disorders comorbidity: Systematic review and meta-analysis. Journal of Affect Disord.2016: 195 105-18.

doi: 10.1016/j.jad.2016.01.040. Epub 2016 Feb 5.