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東京医科大学放射線医学分野は、昭和6年に講座が設けられ80年以上の歴史を持つ伝統ある教室です。私は入局以来、放射線治療を専門とする主任教授の下で研鑽を積んでまいりました。私は6代目の主任教授となりますが、画像診断を専門とする主任教授は、実に39年ぶりになります。昨今、放射線科は放射線診断科と放射線治療科とが別の講座となっている施設が多くなってきていますが、当科は、診断部、治療部が同一の講座内にあり、互いに密に連携とりあい診療、教育、研究にあたっています。当科は、科内の各部門の垣根は、まったく感じません。その証拠に、放射線診断医を志し、入局したものの治療専門医になったものもいれば、その逆のものもいます。実際に自分が診療にあたってみないとわからないことがたくさんありますので、選択肢が複数あることも当科の魅力ではないかと思っています。
当科は、画像診断部、核医学部、放射線治療部の3部門から成り立っています。画像診断部ではCT, MRIなどの画像診断を行うとともに、画像ガイド下治療(インターベンショナルラジオロジー:IVR)を行っています。臨床各科との関係も良好であり、豊富な症例を経験できます。核医学部では放射線同位元素を用いた内用療法も行っており、甲状腺がんの内用療法は日本でもトップクラスの治療件数です。放射線治療部では定位放射線治療、強度変調放射線治療、前立腺シード治療などを行っており、都内でも上位の治療件数を行っています。東京医大病院は都心の交通の便に恵まれた地にあり、多くの患者様が来院します。そのため、各部門とも非常に多くの件数を経験できます。また、1年後には新病院も完成し、最新の機器がそろう予定です。最新の機器で最善の診断、治療を追求していきます。
放射線科は放射線機器の著しい進歩により、私の入局時の想像をはるかに超えた進歩を成し遂げ、さらに、進歩の速度を早めています。この進歩に追いつくだけでなく、新しい技術、情報を発信し、優れた医師を育成し患者様の診療に貢献していく使命が我々、大学病院に所属するものにはあります。ともに高い志を持ち、学んでいこうではありませんか。
放射線医学分野 主任教授 齋藤 和博