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2020年4月より、東京医科大学 高齢総合医学分野(高齢診療科)の主任教授を拝命しました。本講座は、1972年に老年病学講座として開設され、50年近い歴史をもつ伝統ある教室です。初代教授の勝沼英宇先生(1972年~1991年)、2代目教授の高崎優先生(1991年~2004年)、3代目教授の岩本俊彦先生(2004年~2013年)、4代目教授羽生春夫先生(2013年~2020年)へと引き継がれ、発展してまいりました。
当教室のスローガンは「すべての高齢者を笑顔にする」ことです。
超高齢化社会を迎える我が国において、国の基本的な方針としての健康寿命の延伸や活力ある長寿社会の構築が求められています。その中で、老年医学の位置づけはますます重要なものとなっています。複数の疾患を併せ持ち、若年者とは生理学的にも大きな相違がみられる高齢者では、臓器別・領域別ではなくより包括的または全人的な医療が求められます。包括的または全人的医療とは,すなわち「高齢者の疾患を診るのではなく,疾患を持つ高齢者を診る」ことです。我々医局員は常にこのことを念頭に置きながら診療にあたっております。
そのため高齢診療科では、高齢者の総合的な診療を中心とし、特に認知症や脳卒中、老年症候群などに焦点をあて診療に従事しております。また認知症疾患医療センター,脳卒中センターの一員として関係各科と連携し、診療にあたっております。
研究面では、認知症を中心とした老年症候群の基礎的ならびに臨床的研究、高齢者の脳血管障害や神経疾患、血液疾患、内分泌代謝疾患など多方面にわたり国際誌を含む多数の学術論文に成果を発表してまいりました。
以上の臨床、研究により「すべての高齢者を笑顔にする」最終目標に向け、医局員一同、これからも精進してまいります。
引き続きのご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。
入局を検討している先生方へ
当教室は高齢者の多様な医療に対応できるよう種々の教育プログラムを準備しています。初期・後期研修の先生はもちろんのこと、すでに他の診療科で臨床経験を積まれ、高齢者医療に興味や関心のある先生、あるいは、種々の事情などから研修や勤務に時間的制約のある方々でも当教室で学ばれることを大いに歓迎いたします。
また研究においても、国内外での学会発表,論文執筆を丁寧に指導してきました。また海外留学、他施設への国内留学を推奨しており、様々な分野での研鑽を積んで頂くことが可能です。
ご一緒に仕事ができる日を楽しみにしております。
高齢総合医学分野・高齢診療科 主任教授
清水 聰一郎