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第41回 日本頭頸部癌学会に参加して
2017.09.13 20:06
報告者 : 池畑
カテゴリ : 学会
2017年6月8日、9日にウェスティン都ホテル京都で開催された第41回 日本頭頸部癌学会に当科から、里見・渡辺・長谷川・河野・池畑のメンバーで参加して参りました。
当医局からは、長谷川助教が「18F-FDG-PET/CT検査と生物学的特性の相関における口腔扁平上皮癌の悪性度と予後を検討する」の演題で口演を、池畑大学院生が「TLR2は口腔扁平上皮癌においてmiR-146aを誘導することでCARD10遺伝子を制御する」の演題でポスター発表を行いました。
今学会のテーマは「最適化医療への道」であり、近年の流れとして各種診療ガイドラインや術式の統一による治療の標準化が推し進められている一方で、遺伝子やタンパク質レベルでの患者間の差異に着目した個別化医療に関しての重要性に関する報告も散見され、今後患者ごとに何が最適な医療なのかを考えて臨床に臨む機会が益々増えてくるであろうと感じました。
また、今学会は京都大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科が主幹であるということもあり、特別講演にPD-1の発見者である本庶 佑先生が、がん免疫療法のこれまでの歩みと今後の展望を講演され、メイン会場は満席となる盛況でありました。実際に抗PD-1ヒト化抗体であるニボルマブが頭頸部癌にも適応となり、免疫チェックポイント阻害剤が今後新たな頭頸部癌治療に対するモダリティーとして確立される可能性がありますが、免疫抑制の解除により自己免疫疾患を発症するなど、今までの薬物療法では認められなかった合併症といった克服すべき課題も多く、適応に関しては今後も情報をアップデートしながら慎重に考慮する必要があると感じられました。
6月の京都は早くも蒸し暑かったですが、鴨川を望みながら川床を楽しむこともでき、リフレッシュした気分で今後の臨床・研究に励んで参りたいと思います。
文責 池畑 直樹 (大学院生)
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