「西新宿駅直結都市型CCU 24時間365日フル稼働中!」
当教室は1999年から近隣他施設に先駆けてCCUを開設し、本年はちょうど20年目の節目になります。当CCUは「西新宿駅直結都市型CCU」として24時間365日フル稼働しており、東京都CCUネットワークから施設認定を受けています。そこで行う循環器集中治療は当教室の臨床の中心となっています。現在名目6床の専用ベッドを有していますが、隣接するICUと毎朝ベットコントロールを行っており必要時にはより多くの重症患者が入室しています。年間のCCU収容症例数は上記CCUネットワーク加盟施設内でも毎年トップクラスを維持しています。
主な対象疾患は、緊急カテーテル治療が必要な急性冠症候群(急性心筋梗塞・不安定狭心症)、心臓のポンプ機能が著しく低下した急性非代償性心不全、致死的不整脈疾患、重症肺循環疾患、急性大動脈疾患などになります。
当CCU最大の特徴は3次救急に特化した当院救命センター(ER)と密に連携している点です。当院ERに搬送された心肺停止症例や血行動態が不安定な心原性ショック症例に対しては、われわれCCUスタッフがERスタッフとともに初療にあたり、ERから直接カテーテル室やCCUに入室します。当院ERは都内でもトップクラスの収容症例数を誇りますので、必然的に当CCUには重症度の高い心肺停止後症候群症例や心原性ショック症例が多数収容されます。そのような重症症例に対し、経験豊かなCCU専属スタッフと若手教室員が常に複数人でチームを組み、24時間365日体制で救命目的の緊急カテーテル治療や補助循環装置の挿入などの循環器集中治療を行っています。もちろん、当院心臓血管外科とも密に連携しています。毎朝ハートチームカンファレンスを行い症例の情報共有に努めていますので、必要な症例は遅滞なく手術に移行しています。
また、最新の治療技術の取り入れも積極的に行っております。例えば、2018年からは心臓のポンプ機能を補助する最新の補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA®)をいち早く導入し、心原性ショックの治療にあっています。
図: 心原性ショックに対して補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA®)を挿入した症例
2019年7月には新病院への移行を予定しており、専用病床は8床に増床となります。また、大動脈弁狭窄症や僧帽弁逆流症といった心臓の弁を経カテーテル的に治療する経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI: Transcatheter Aortic Valve Implantation)や経皮的僧帽弁形成術(Mitral Clip®)の治療も開始する予定となっており、より多くの重症症例を受け入れ、治療成績を向上していきたいと思っております。
入室総数: 470例 平均CCU滞在日数: 4日 CCU死亡例:9例 (1.9%)
疾患別内訳
・急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症): 119例
・急性心不全: 169例
・致死的不整脈疾患: 42例
・重症肺動脈疾患: 14例
補助循環デバイス使用例 (CCU入室症例に限る): 40例
・経皮的人工心肺補助装置(PCPS: Percutaneous CardioPulmonary Support):13例
・補助循環用カテーテル(Impella®): 4例
・大動脈内バルーンパンピング(IABP: Intra-Aortic Balloon Pumping): 24例
図: 2018年の当CCU収容症例の疾患別内訳
当CCUは経験豊富なスタッフがチーム一丸となって、常に最先端の治療を取り入れながら循環器救急・集中治療にあたっております。特にご近隣の医療機関さまからのご依頼に関しては24時間365日お断りすることなく受け入れを行っております。外来受診された患者さん以外に貴施設入院中の患者さんの急変に対しても受け入れいたします。心血管疾患症例の救急搬送が必要な場合はいつでもご相談ください。
循環器集中治療部医師 直通電話: 03-3342-6222 より 内線62119
当CCUは指導医と若手医師が常にチームとなって相談しながら患者さんの治療にあたっております。3次救急症例の対応や補助循環の使用経験、また悪性腫瘍、血液疾患や膠原病など稀少他科疾患併存患者の全身管理などは、救命センターを有する大学病院のCCUでこそ経験できるスキルになります。
幅広い循環器救急症例をたくさん診たい!という先生はぜひ一度見学に来られてください。見学や研修のご相談は随時受け入れております。
【連絡先】:中野 宏己(なかの ひろき) E-mail: hiroki17@tokyo-med.ac.jp
当科の一般病床は睡眠時無呼吸症候群専用の検査室2床を含め50床で運営をしていますが、しばしば50床以上になることもあり、他一般病棟にも収容することがあります。2017年の入院患者総数は1754人、平均在院日数は8.0日、病床稼働率は85.1%と他施設と比較しても高い数字を維持しています。
予定入院の多くは冠動脈造影検査、経皮的冠動脈形成術、恒久的ペースメーカ植え込み術や植え込み型除細動器移植術、心房細動等のカテーテルアブレーション目的の症例ですが、下肢末梢動脈狭窄に対する血管内治療や慢性肺動脈血栓塞栓性肺高血圧症に対する肺動脈バルーン拡張術目的の症例も増加しています。詳細は当HP「研究グループ紹介」内の該当ページをご覧下さい。
全体の20%以上が緊急入院です。心不全症例が多いですが、重症度の高い急性冠症候群症例の収容が多いのも特徴の一つです。
最近では高齢者心不全症例がとくに増加しています。一般に高齢者心不全症例は入退院を繰り返すことが多く、また急性期を過ぎても退院後の受け入れの問題で困ることがあります。当科では地域在宅診療を行う医療機関と連携をとり、スムースな退院支援ができるような運営をしています。詳細は当HP「研究グループ紹介」内の心不全グループのページをご覧下さい。
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