東京医科大学

麻酔科学分野 麻酔を受けられる患者さまへ

Staff Room

ICU

施設

施設

 ICUのベッド数は10床で、入室患者の75%が定期の術後患者、心臓血管外科や脳神経外科、消化器(食道・膵)外科、口腔・咽喉頭癌再建後、25%が緊急手術後症例やショック、敗血症、ARDS、AKIなどの緊急入室症例が占めます。これまでSurgical ICUの要素が強かったのですが、ここ数年内科系重症患者の入室が増加しています。(727人:2016年1-10月)現在のベッド数では、年間約800~900名程度の入室が限界のため(稼働率95%)、現在工事中の新病院ではICUのベッド数を大幅に増加する予定です。

診療体制

 現在の診療体制は、部長の内野主任教授、今泉教授、関根講師、他スタッフ3名です。主治医とともに、急性期集中診療を行っています (Semi-closed ICU)。病棟看護師は63名、うち集中ケア認定看護師1名、感染管理認定看護師1名、慢性心不全看護認定看護師1名、家族看護専門看護師1名が在籍しています。また、ICU,CCU専任の薬剤師2名、臨床工学技士1名が在籍しています。CCUは同じフロア内にあるため、いつでもコンサルテーションできる協力体制です。
 当直は麻酔科学分野で担っており、集中治療専門医または麻酔科専門医以上の資格をもつ医師が行っています。

 

勤務スケジュール

6:30 当直医からの申し送り 入室患者把握
7:50 麻酔科全体朝礼 ICU問題症例の呈示
8:30~9:30 入室患者の診察、バイタルサインの経過と現状の把握、各種データ,レントゲンの把握
9:30~11:00 ICUスタッフ、主治医、感染制御部、看護師、薬剤師、臨床工学技士とカンファランス、カンファランスを基に診療を開始
日 中 ICU入室患者の診察,検査による病態把握、診断,治療(輸液栄養、人工呼吸,血液浄化,抗菌薬)
18:00~19:00時頃 治療のサマライズ、当直医に申し送り

当ICUの特徴

カンファランス

カンファランス

 毎日ICUスタッフと主治医、感染症科医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士と合同でカンファランスを開き、病態の把握および診断のもと、治療方針の決定を行っています。多職種連携により患者の全身状態を漏れなく把握し、適切な治療が行えるよう努めています。

人工呼吸器回診

 看護師、臨床工学技士と理学療法士と週1回全病棟を回り呼吸器装着患者の回診を行っています。長期の人工呼吸管理患者が多く、wearingのtryとともに安全管理面を中心に回診しています。急性期の人工呼吸管理患者の場合、集中治療の適応があればICUでの治療を主治医に提言しています。

エコー検査

 呼吸循環管理にエコーは必須のスキルです。米国集中治療学会でもFundamentals of critical care ultrasound コースが開催され、集中治療領域のエコーの有用性は揺るぎないものとなっています。スタッフはまず自分たちでエコーをあて、所見を得るよう努力します。CCUが同じフロアにあるためすぐに循環器内科医にコンサルテーションできるような環境にあります。経胸壁心エコー、肺エコーを中心に、必要であれば経食道心エコーもおこなっています。

EBMに即した診療

 (1)敗血症に対する治療はガイドラインが策定され、集中治療領域でも治療の世界標準化が提唱されています。しかしながら、重症患者管理はEBMに沿った治療ばかりではありません。私たちはEBMが明確でない治療を導入する場合は、常に副作用なども考えながら行い"do no harm"を心がけています。
 (2)ARDSに対する診察:Low Tidal ventilation, high PEEP, prone position またエビデンスに基づいた人工呼吸管理をおこなっております。
  1.ARDSの誘因となった病態の治療
  2.ARDSの病態CT画像に基づいた呼吸循環管理、感染症治療、代謝栄養管理、DIC管理、血液浄化を時期を逸せず適切なタイミングで
   重症患者管理を行うことが大切です。

他施設とのカンファランス

 慶應義塾大学麻酔科、東京警察病院救急科、東京大学医学部附属病院救命救急センターとの持ち回りで、年3回の症例カンファランスを行っています。他施設との交流を図り、高いレベルでの集中治療管理を行っています。