学会・研究会の報告

フィラデルフィア通信 第2報

報告者 : 備後 真登

カテゴリ : 学会 研究会

 世界中でCOVID-19が大きな問題になっている中、この記事を読まれている日本の方々は安全で健康な状態でお過ごしでしょうか?このような状況ではありますが、仕事や学校などを含めたアメリカの現況をお伝えできればと思います。

 

 私が現在住んでいるフィラデルフィアでは、20203月の2週目に入ったところで急に慌ただしくなりました。学校では3/9COVID-19患者と接触した生徒がいたとのことで、3/10は学校全体を消毒するため休校になりました。その頃、職場のCHOPでは「人が集まることを避けるように」という通達があり、いくつかの研究室と合同で行っていた週1回の論文抄読会が中止となり、院内の講演会などもすべて中止となりました。州知事が緊急事態宣言を出して学校は3/13から全て休校となり、職場の方でも我々研究職は不要不急の仕事ではないのでwork from homeとなりました。飲食店などはテイクアウトのみで営業を続けているところもありますが、病院と薬局、スーパーなどの食料品店以外は全て閉鎖になっています。公園なども閉鎖になっています。外を歩く人や車の往来はかなり少なく、食料の買い出しに行く人、犬の散歩をしている人、ジョギングをしている人を時々見かけるくらいです。感染者が爆発的に増えている隣のニューヨーク州の街の状況はよくわかりませんが、こちらはそれほど悲壮感はなく、街を歩いている人も穏やかな印象です。

 

 "work from home"といっても研究職なので、家でできることはほとんどありません。ただ、統計などのセミナーや講演会、抄読会などは全てZoomBlue Jeansを用いて行われるようになっており、勉強できる機会も多いです(途中からセキュリティーの問題が言われ始め、Zoomは控えられました)。今現在(4/16、現地時間)でも出勤再開の見通しは立っておらず、少なくともこの状態が6月末までは続くだろうと伺いました。

 

 子供の学校に関しては、3/16の週からすぐに課題が配信され、在宅での勉強が始まりました。3/23の週からは130分だけではありますが、Zoomを用いたvirtual classroomが始まり、子供たちも楽しんで参加しています。4/6の週は元々spring break期間だったので休みでしたが、4/13からさらに在宅での学習が強化され、virtual classroomに加えて日替わりですがsmall groupでの授業も始まりました。私の子供は3人とも英語はほとんど話せずにアメリカに来たのですが、こちらではそういう生徒が多いということもあるのか"English Language DevelopmentELD"というクラスがあり、英語の苦手な子供を対象に特別授業を組んでくれて、それに定期的に参加していました(他のクラスメイトが普通に授業を受けているときに声がかかり、そういう子供を集めて別の部屋で授業をしているようです)。算数のテストなどの時には、子供の隣で問題を読んで理解を助けてくれたりすることもあるようです。4/13からはELDvirtual classroomが始まり、毎日の課題もあわせてかなり忙しくなってきています。子どもが3人なのでvirtual classroomと課題をしたりで同時に3台パソコンが必要なことが多く、たまたま持ちあわせていたので何とかなっています。ただ、school districtの方では、デバイスがない家庭にも無償で貸し出したりのサービスをしているようで、素晴らしいシステムだと思いました。こういう状況でも教育面に関しては不安なく過ごせるのが、海外のいいところかもしれません。

 

 研究面に関してはこのような状況でそれほどお伝えすることがなくて恐縮ですが、私の住んでいる地域の雰囲気を少しはお伝え出来たのではないかと思います。日本ではCOVID-19がこれからさらに厳しくなってくると思われますが、皆様が健康で安全に過ごせることを心から祈っています。