学会・研究会の報告

World Federation of Hemophilia 2018 World Congress -Glasgow- に参加してきました。

報告者 : 近澤 悠志

カテゴリ : 学会 研究会

2018520日から24日にかけてスコットランドのグラスゴーで開催された、World Federation of HemophiliaWFH 2018 World Congressに参加してきました。 臨床経験11年目にしてこの学会には初めて参加しましたが、参加者が医師だけではなく、看護師さんや患者さん及びご家族の方々の参加も目立つ学会であり、女性の参加者が多い華やかな雰囲気である印象を受けました。年間を通じてほとんど晴れる日はないとの事前情報がありましたが、晴れ間も多く、ほとんど雨に降られることはありませんでした。気温も過ごしやすかったです。4年目の後期研修医、宮下竜伊先生と長時間一緒に過ごし、本当に力強い若い力を当科は有しているなと頼もしく嬉しく思いながら、命の洗濯をした眠前のスコッチがいい思い出です。

 学会の内容としてはなんといっても血友病の新規薬剤である皮下投与の製剤についての話題が花盛りでした。いち早く臨床現場に登場する製剤に続き、今後次々と新薬が登場するであろう状況が垣間見え、それらを安全に適切に使用していく方法を考えていかねばなりません。その後は遺伝子治療も控えています。

 また、血友病の保因者を含む女性の出血傾向に対する臨床的アプローチに関してのセッションも充実しており、現在は適切なフォローを受けられていない方々の潜在に関しても改めて認識しました。適切な診断、治療に結びつけることとともに、診断されることにデメリットはないかという点に関しても慎重に考えていこうと思いました。

 WFH1963年に設立された非営利団体で、134か国の患者団体の世界的ネットワークです。世界中の遺伝性出血性患者の治療を維持・向上することを使命としており、居住地に関わらず「すべての人に治療を」と願っています。そのスローガンに改めて胸が熱くなりました。これまでの歴史を大切にしながら、東京医大病院 臨床検査医学科に籍を置かせて頂いている利を生かし、WFHの理念に沿える存在になることを目標としていきます。

 長女から貰った流行性角結膜炎(?)のため、学会初日から右目が四六時中充血して生まれて以来経験のないほど多量の眼脂を伴う悲しいコンディションの中での参加となりましたが、そんな中でも見開いたこの両目で見てきたことをこれからも糧にしていきたいと思います。

 

臨床検査医学科 近澤 悠志

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