「時間栄養学」という言葉が徐々に知られるようになってきていますが、食事は内容も去ることながら「いつ食べるか」も重要な要素であることが知られています。今般、当教室の林田泰斗先生と志村哲祥兼任講師らをはじめとする研究で、(株)こどもみらい社から提供を受けたデータセットの分析を行うことにより、「食事の不規則さが心身の健康やパフォーマンスに影響を与えること」およびその経路(パス)を統計学的に明らかにしました。
Hayashida, T., Shimura, A., et al. Psychosomatic Stress Responses and Sleep Disturbance Mediate the Effects of Irregular Mealtimes on Presenteeism. Neuropsychiatric Disease and Treatment, 2021, 17: 315. https://doi.org/10.2147/NDT.S292249
食事の不規則さは疲労感の増加や抑うつの増大、睡眠の問題を招くこと、そしてそれらがプレゼンティズム(心身の不調による労働生産性の低下)につながることが、世界で初めて示されました。

今回の研究成果は精神医学系の国際誌であるNeuropsychiatric Disease and Treatment誌に掲載されています。

規則的な食事には概日リズム(体内時計)を整えたり、食後高血糖を予防したりする効果があることが示唆されています。今回の研究では、規則的な食事はメンタルヘルスにも良い影響を与え、かつ、生産性にも意義があることが示されました。職域の有用なセルフケアの方策が新たに見いだされた研究成果です。