幼少期の頃に親等から受けた養育のことをあまり覚えていない方も多いかもしれませんが、実はその養育が現在の仕事から受けるストレス反応にまで影響していることが明らかになりました。
本研究は東京医科大学精神医学分野の鮫島寛人医師と志村哲祥兼任講師らによって実施され、幼少期の親からの養育(ケア要因と過保護要因)、レジリエンス(CD-RISC)、そしてスレトスチェックで測定される心身のストレス反応と仕事のストレス要因との関連を分析することで検討されました。
その結果、良好な養育は「レジリエンス」を高め、逆に過保護は「レジリエンス」を低めることがまず証明され、さらに、レジリエンスが高いと「仕事のストレス要因」の知覚が弱まること、そしてそれらを介して仕事のストレス反応に影響が及ぶことが明らかとなりました。
将来の職業上のストレスを改善させ、メンタルヘルスを改善させるためにも、適切な養育のあり方を社会で広く共有していく必要があります。
本研究成果の論文は科学誌であるfrontiers in psychiatry誌に掲載されました。