医局員の声

後期研修医を終えて

声の主 : 松井友里

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 2018年4月に東京医科大学病院で1年間の初期研修を行い,2019年4月から継続で後期研修をスタートしてからもあっという間に3年が経過し後期研修医としての生活も終わりが見えてきました.この3年間は思い起こせば怒濤の日々でした.
 後期研修1年目は4月から半年間八王子医療センターでの研修でした.本院と圧倒的に異なるのは口腔外科医が4名しかいないという点です.初期研修時は与えられた仕事をこなし,そこには責任という重みがなく過ごしていた部分があったのが正直な所でした.八王子医療センターでは自分が初診でみた患者さんは最後まで見届け,手術が必要であれば術者としても責任を持って執刀する.嫌でも降りかかる「責任」という重しに潰されそうになりながらも,相談に乗っていただいたり,時には厳しい御意見を下さった上級医の先生方のお陰で半年間を過ごすことができました.先生方には感謝の気持ちで一杯です.
 2年目から他科研修が開始し,当院麻酔科,救命救急科,多摩永山病院救命救急センターでの研修で1年間を過ごしました.コロナ禍で初めて緊急事態宣言が発令された頃だったため,麻酔科研修中は全身麻酔症例数が制限されており例年より症例経験数が少なかったのが悔やまれますが,それでも様々な手術の麻酔管理を経験させていただきました.救命救急科では普段経験のないショッキングな症例もあり,夜勤中に夜通し輸血をつないで朝を迎えたのが思い出として残っています.永山病院救命救急センターでの半年間は,コロナ患者が急増している中HOTで発熱,呼吸苦の触れ込みだとしてもなるべく断らず受け入れ一人でも多く救助しようとする永山病院の先生方の姿勢に圧倒されました.全身管理の難しさと自分の知識のなさに絶望したり体調管理がうまくできなかった時期もありましたが,永山病院の先生方やスタッフの皆さんは部外者の私を温かく受け入れてくださって本当に様々な経験をさせていただき感謝してもし尽くせないです.
 3年目は本院に戻り病棟と外来業務で,後輩も更に増え,今まで教えてもらう立場だったのが後輩指導もしつつ手術の執刀や入院患者さんの全身管理など救命救急科研修で持ち帰った知識を生かせる場面もあり,他科研修のありがたみを感じる日々でした.
 上記に挙げたものはほんの一部ですが,この後期研修の3年間は今後の人生を含めたとしても私にとってかけがえのない思い出です.4月からは大学院生として新たな生活が始まります.正直不安の方が勝っていますが何事にも真摯に取り組んでいきたいと考えています.