医局員の声

後期研修医を終えて

声の主 : 戸口美咲

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後期研修医としての3年間が終わろうとしています。

この期間は様々な施設で研修をさせていただく日々でした。

私は、初期研修医を東京医大 口腔外科で終え、その後入局致しました。

後期研修医として、初めの1年間は本院で過ごしました。最初の壁は口腔外科医としての第一歩でもあると考えます智歯抜歯でした。初期研修医時代とは異なり、自分がメインで手技を行い患者様と接すると言うプレッシャーと、時間との壁にぶつかりました。手技を行う中で、抜歯困難となる場合は必ず生じます。そんな時、上級医の先生方のバックアップ体制が確立されている大学病院だからこそ、患者様の過度な負担や侵襲がなく、振り返りをする環境もあり、上達に繋がったと感じております。

その後は、茨城県県稲敷市にあります茨城医療センターでの勤務となりました。こちらでは、より地域と密着した病院の雰囲気があり、患者様やコメディカルスタッフとの距離が近く感じられました。また、初診から手術、術後の外来通院までを一連の流れで診る事の出来る体制でもあり、主治医としての自覚と患者様との信頼関係を築くスキルに繋がったと感じております。

その後は、顎変形症や口腔癌術後の方の周術期管理を学ぶべく、医科でのローテーションが始まりました。

放射線科では、基本となる解剖の定着と、画像診断のポイントを学ぶことができました。レントゲンやCT,MRIは歯科治療でも外科手術でも切り離すことのできない分野であり、診断や鑑別する力を養うための期間となりました。

麻酔科での3ヶ月間は、主に気管挿管と循環の管理をメインに習得致しました。麻酔導入サイドで患者さんを把握出来た事は、術者となった時の注意すべき点を知り、より安全な手術に繋ぐことが出来ると考えます。

続けて救命救急センターでの研修となりましたが、初日に心肺停止の方が救急車で搬送されて来た事が印象的です。日本医大多摩永山病院救命センターでの研修も含めて計9ヶ月間の救命センター研修の中で、患者様の身体を診る と言う事を学びました。また、センターで働く中で、術後管理や急変時の対応を口腔外科へ戻った時をイメージしながら修得、同時に素早い適切な判断力も培えた期間でした。

歯科の分野だけではない領域の研修も経て、技術や知識共にまだ未熟な自分ではありますが、この経験を周囲や患者様に還元の出来るような医療従事者となりたいと思う研修期間でした。

自分の置かれた環境や、周囲の方々のサポートに感謝しつつ、日々精進したいと思います。