医局員の声

後期研修医を終えて

声の主 : 金子 児太郎

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他病院から一昨年の4月に当院の口腔外科に後期臨床研修医として移動して来て、早や2年間が過ぎようとしています。この2年間で、口腔外科での外来、病棟業務と麻酔科、救命センターへのラウンドを行わせていただき、充実した2年間を過ごすことができました。

その中で、良かったと感じたところは、さまざまな経験から知識をインプットさせていただける機会にたくさん恵まれたことと、信頼していただき技術を様々な場面で経験させていただけたところでした。

 

まず、口腔外科という観点から、歯学の知識のみでなく、全身の知識が不可欠です。自ら本や論文で学ぶことももちろんありますが、それだけでは身につかない経験から来るものを、麻酔科と救命センターのラウンドにより得ることができました。

麻酔科のラウンドでは、3か月間口腔外科から一切離れ、毎日手術室での全身麻酔行う日々でした。上級医の先生から麻酔の知識を学ぶことはもちろんのこと、さまざまな科の手術に入り、見ることにより今までの知識がより深くなることを感じました。また、手術室で手術をする立場から、麻酔科医として麻酔行う立場で見ると、手術中での患者さんをまた違う視点から患者さんの状態を考えられるようになりました。

その後、6か月にわたり日本医科大学多摩永山病院救命救急センターに出張させていただく機会をいただきました。救命センターの最前線はドラマでみるような華々しいものでは無く、寝る間も惜しみながら、地道に泥臭く、しかし命を救おうとする気持ちの熱い先生方に囲まれ、少しでも自分が役に立てるよう奮闘する日々でした。その中で得た多くの知識は、上級医の先生と共に患者さんへの治療を行いながら自ら体感し確立していったものであり、忘れることにできない知識になりました。

 

そして、口腔外科での臨床は今までの知識や経験を信頼していただき、様々な治療を行わせていただきました。もちろん、今まで卒業から口腔外科を学んで来たわけですが、これほどたくさんの臨床の症例を経験させていただけるとは、東京医科大学の口腔外科に入ったときは思ってもいませんでした。もちろん、上級医の先生と一緒に手術に入り学ばせて頂ける機会にもたくさん恵まれました。

自ら一所懸命に考え行ってみる。もちろん、うまく行えないときはフォローをしていただける。後期研修医という立場から完全に信用はせずとも、信頼していただき、毎日たくさんの診療を続けることができるのは恵まれた立場であり、それを支えていただける上級医の先生方に日々感謝でした。