医局員の声

麻酔科研修を終えて

声の主 : 池畑

カテゴリ : 本院

 私は4月から6月までの3か月間麻酔科で研修を行いました。ここでは麻酔科研修の概要等についてお話しさせていただきます。

 東京医大の麻酔科研修は口腔外科の麻酔管理(歯科麻酔領域)のみではなく、医科麻酔にもたずさわれることが特徴です。基本的に口腔外科の手術がある日はその麻酔が担当になりますが、それ以外では色々な医科麻酔を経験することができます。口腔外科領域以外の麻酔を担当することは、その疾患について理解をした上で、麻酔管理もそれぞれ異なることもあり、幅広い視点・知識が必要になってくるので大変勉強になります。

 一日の基本的な流れとしては、朝7:50からのカンファレンス(勉強会・前日の症例のフィードバック・当日のリスク症例の検討等)から始まり、それが終わると実際に自分が担当の症例の麻酔を行っていきます。基本的には1日1~2症例を担当し、自分が担当になる症例は事前に病棟へ術前回診にうかがい、ここでリスクの把握、麻酔管理プランについて指導医と計画を立てることになります。この他に月に4~5回程度の当直も行うので緊急手術に対しての麻酔管理も学ぶことができます。

 麻酔科を研修して最も感じたことは、改めて口腔外科領域の手術は術野と気道を共有するということです。というのも私が研修していた3か月間で、口腔外科の手術において気道閉塞という肝を冷やす症例を2例経験したからです。口腔外科では様々な手術が行われますが、いずれにおいても術野は気道上に存在するので、常にair wayにトラブルを生じる可能性があるのだということを肝に銘じさせられる麻酔科研修となりました。今後、口腔外科側に立った時にも麻酔科で経験してきたことは特に周術期管理において活かされていくと思います。

後期研修医(卒後2年目) 池畑 直樹