診療看護師教育プログラム
東京医科大学病院の診療看護師は、入職後約1年間の臨床教育プログラムに沿って研修を行っています。また、診療看護師の継続的な能力開発および質の向上を目的として、診療看護師ラダー制度を導入している。本ラダーは、研修修了後の診療看護師を対象とし、臨床能力・実践能力・教育能力・組織貢献能力などについて段階的に評価を行っている。
教育プログラムについては、毎年、診療看護師管理室全体でブラッシュアップします。また、個人と話し合い、個々のNPの能力向上を目指したプログラムとなるように相談の上、決定していきます
東京医科大学病院 NP年間研修計画 (クリティカル領域希望者の例)
≪教育目標≫
- NPとして必要な、臨床能力(知識・技能および態度・情報収集能力・総合判断能力)を習得し、適切かつ質の高い医療サービスを提供できる。
- 多職種との協働におけるNPとしての役割を認識し、患者・家族への積極的な介入、医療安全への取り組みを通して将来的にNPに必要な資質を確立していく。
| 研修期間 | 研修科・組織 | 研修目標 | 主な研修内容 |
|---|---|---|---|
| 2~3か月 | 看護部研修 | 東京医大学病院の看護や看護業務について理解できる | 外来診療の流れ、入院加療、 看護業務の流れ、看護部研修について |
| 3か月 | 救命救急センター |
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初期診療に関する特定行為並びに診療の補助行為、 重症集中治療患者管理に必要な特定行為並びに診療の補助、 患者の治療及び状態把握のための知識の向上、 多職種との協働、病棟看護師との協働 |
| 2か月 | 放射線科 |
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単純X線撮影の部位・実施時期の判断、 CT・MRI検査の部位・実施時期の判断、 造影剤投与時の造影剤の投与、 患者の病態に応じた検査の選択・撮影方法の判断、 単純X線撮影の画像診断の補助、 CT・MRI検査の画像診断の補助、 IVR(Interventional Radiology)時の動脈穿刺、 カテーテル挿入・抜去の一部実施、 診療放射線技師、放射線科看護師と協働 |
| 1か月 | 中央検査部 (エコー室) |
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腹部エコー、下肢静脈エコーの実施と結果の判断、 多職種(検査技師)との協働 |
| 2か月 | 麻酔科 |
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手術時の麻酔導入~維持~覚醒までの麻酔管理、 人工呼吸器からの離脱の管理、 抜管の評価と介助、手術室看護師との協働 |
| 2か月 | 希望診療科 |
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当該科に特徴的な処置、手術、手技などを実施する。 カンファレンス等に参加し、NPとしてのかかわりを検討する |
| 2か月 | 感染制御部 |
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微生物学検査の項目・実施時期の判断、 真菌検査実施時期の判断、 臨時薬剤(感染徴候時の薬物)の投与、 臨時薬剤(抗菌薬)の投与、 イフルエンザ簡易検査・COVID-19などの流行性感染症検査の実施時期の判断、 微生物検査(スワブ法)による検体の採取、 薬剤感受性検査の項目・実施時期の判断、 薬物血中濃度検査(TDM)の実施時期の判断、 隔離の開始と解除の判断・実施 |
東京医科大学病院 診療看護師 クリニカル ラダー:総合的実践能力の多面的評価
1.目的と位置づけ
本ラダーは、個々の手技の巧拙のみを判定するものではなく、診療看護師(NP)としての臨床判断、医療的処置のマネジメント、看護実践、多職種協働、組織への貢献、教育・人材育成、研究・役割開発を含む総合的な実践能力を、多面的かつ段階的に評価するものである。評価結果は、能力開発の方向性の共有、適切な役割付与およびLevel認定に用いる。
技術認証との区別
| 評価制度 | 主に評価する内容 |
|---|---|
| 個別の技術認証 実技評価 |
特定の手技を、定められた手順に従って安全・確実に実施できるか。 |
| 診療看護師 ラダー評価 |
患者への適応判断、リスク評価、実施、安全管理、実施後評価、記録、連携、指導・標準化を含め、手技や知識を臨床実践の中で適切に活用できるか。 |
2.評価の基本構造
従来の「7つの能力」を診療看護師に求められる能力領域として維持し、各評価項目に「評価側面(A~F)」を付して、何を評価する項目かを明示する。
| 評価側面 | 評価する内容 |
|---|---|
| A. 臨床判断・実践 |
患者情報を統合し、臨床推論・看護判断・倫理的判断を実践につなげる能力 |
| B. 処置・安全管理 |
処置の適応、実施、リスク管理、実施後評価および記録を一連で管理する能力 |
| C. 連携・調整 |
医師・看護師・多職種と協働し、診療・療養・退院支援を調整する能力 |
| D. 業務・組織・マネジメント |
業務調整、医療安全、質改善、体制整備および組織運営に関与する能力 |
| E. 教育・人材育成 |
後輩NP・看護師等の学習を支援し、評価・育成する能力 |
| F. 研究・役割開発 |
実践を検証し、標準化、研究、制度設計およびNPの役割拡大につなげる能力 |
3.Levelの定義
| Level | 到達像 | 標準的な 時期 |
|---|---|---|
| Ⅰ | 指導・助言を受けながら、基本的な診療看護師実践を安全に行う | 大学院修了後1年目 |
| Ⅱ | 頻度の高い状況において、診療看護師実践を自立して安定的に行う | NP経験 2~3年目 |
| Ⅲ | 複雑な状況に対応し、チーム内で調整・改善・指導の役割を担う | NP経験 4~6年目 |
| Ⅳ | 高度な実践を基盤として、教育・管理・標準化・制度整備を主導する | NP経験 7年目以降 |
※経験年数は申請の目安であり、年数のみで認定しない。各Levelの審査条件、実践実績および評価結果を総合して判断する。

