当科では神経系疾患のうち外科的治療の対象となる疾患を対象としていますが、手術以外にも救急救命処置、集中治療管理、化学療法などの薬物療法、放射線治療と、きわめて多岐にわたる領域に対し携わっています。手術対象では脳腫瘍や脳血管障害などの頭蓋内疾患のみならず、頸動脈狭窄・脊髄脊椎疾患など頭蓋外の病変も対象です。当科での手術療法は開頭手術などの直達手術以外にも、血管内手術・神経内視鏡手術・定位放射線手術等の、より低侵襲な方法も積極的に取り入れています。

　近年ではてんかんの外科、精神神経疾患の外科などの機能脳神経外科領域の研究が進んでおり、今後、当科の対象疾患はさらに広がると予想されます。

　また、本邦の脳神経外科の特徴としては脳卒中に対しての治療も当科で行うことが多いことです。脳出血、くも膜下出血、脳梗塞などのプライマリ・ケアーから治療、さらには二次予防などのアフターケアもすべて当科で行うことが可能です。そのため、脳神経領域以外にも高血圧・高脂血症などの成人病に対してもカバーしています。