教室の沿革

東京医科大学循環器内科(旧第二内科)は昭和19年に開設され、初代東光平教授、2代目野原義次教授、3代目伊吹山千晴教授、4代目山科章教授、5代目近森大志郎教授、そして令和5年4月からは里見和浩教授が就任しました。70年を超える歴史を経て、現在も発展を続けています。

初代 東光平教授時代(昭和19年9月~昭和48年3月)

東京大学第2内科より東光平教授が就任。電気生理学を中心に研究活動がなされ、研究テーマとして「心房細動についての研究」、「心電図・ベクトル心電図に関する研究」、「血行動態ならびに心音図学的研究」、「循環器疾患の臨床研究」が行われました。

2代目 野原義次教授時代(昭和50年2月~昭和56年3月)

京都大学第3内科より野原義次教授が就任。虚血性心疾患の増加や冠動脈造影法の開発から循環器病学の細分化が進み、「虚血性心疾患の基礎的および臨床的研究」が活発に行われるようになり、さらに「心臓核医学研究」、「運動負荷生理研究」が開始されました。昭和52年6月には東京医科大学霞ケ浦病院(現東京医科大学茨城医療センター)に循環器内科が開設され伊吹山千晴教授が就任。昭和55年4月には八王子医療センターが開設され、初代循環器内科部長として岩根久夫教授が就任しました。

3代目 伊吹山千晴教授時代(昭和56年4月~平成11年3月)

本学内科学教室初の同窓教授として伊吹山千晴教授が就任。西新宿に現大学病院が建設され、シネアンギオ装置、心エコー装置、心臓核医学装置が刷新され、レーザー治療装置、心筋代謝分析装置など実験装置も導入されました。「血行動態および冠循環の侵襲的および非侵襲的研究」は現在の東京室の研究の柱の1つになっています。

「建設中の旧病院と西新宿の遠景(昭和56年ごろ)」

4代目 山科章教授時代(平成11年4月~平成29年3月)

聖路加国際病院内科より山科章教授が就任し、臨床・研究・教育全ての面での充実が図られました。なかでも山科前教授は臨床の強化が最大のテーマに掲げられました。
まず毎朝の症例検討会が開始され、診断と治療方針の標準化が進められました。また平成11年に救命センターの入院ベッドを2床借り受ける形で循環器救急/集中治療が開始。さらに平成15年には24時間稼働の独立循環器集中治療室 (CCU)6床が新設され、当院の循環器救急診療が本格的稼働されました。それに伴い、入院患者数(とくに急性冠症候群や急性心不全の重症例が増加)、各種検査や侵襲的治療などの件数は飛躍的に増加しました。
研究面では入院患者背景・検査・治療のデータベース化が行われました。研究内容は動脈硬化・血管機能などの基礎的疫学的なものから心エコー・心臓核医学・CT/MRIといった非侵襲的画像診断分野、睡眠時無呼吸と心不全、さらにカテーテル診断・治療学や不整脈診断・治療学に至るまで幅広い分野で各研究グループが連携をとりながら活動し、多数の研究・論文が発表され現在に引き継がれています。
教育面では、学生や若手の教室員向けに教育カンファレンスを毎朝行い、専門に偏らない循環器疾患全般に対する幅広い基本的診療能力の向上が図られました。また臨床研修制度開始に伴い山科前教授自身が当院の初代臨床研修センター長を兼任し、病院全体の卒後医学教育が推進されました。
その他、平成21年に「日本循環器学会:冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン」、また平成26年に「同:血管機能の非侵襲的ガイドライン」が山科前教授を責任者として作成されました。また平成28年には集中治療学会、翌年には日本心臓病学会をそれぞれ当教室が主宰しました。
以上のように、「循環器診療における予防から診断、集中治療、さらにはリハビリテーションまで幅広く臨床・研究・教育を行う」ことが当教室の基本方針となっており、現在に引き継がれています。

(旧病院)

5代目 近森大志郎教授(平成29年4月~令和5年3月)

近森大志郎教授が就任。各研究グループのより密接な連携を目的にしたリサーチカンファレンスの定期開催や新病院開院にあたり近隣医療機関との連携強化(平成30年4月に東京医科大学循環器内科同門会を設立)など、山科教授時代の基本方針を踏襲しつつ、様々な分野で新たなチャレンジが始まりました(慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するカテーテル治療や外科とのハイブリッド治療、末梢血管疾患に対する血管内治療、心房細動や心室頻拍に対する積極的なアブレーション治療や難治性心不全に対するデバイス治療など)。結果、循環器内科の患者数や検査・治療件数は右肩上がりに増加しました。

(現在の新病院 2019年7月開院)

6代目 里見和浩教授(令和5年4月~)

里見和浩教授が就任。Sympathy・Passion・Empowermentの3つの価値観に基づいた、new東京医科大学循環器内科がスタートしました。詳細は当HP「主任教授からのご挨拶」をご覧ください。

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