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平澤医員がヨーロッパ泌尿器科学会(EAU2016)でベストポスター賞を受賞しました。
2016.07.06 15:40
投稿者 : 医局
カテゴリ : お知らせ
このたび、「6778人膀胱全摘除術患者の高年齢が術後ADLの低下に与える影響に関する検討」という発表が2016年3月にドイツのミュンヘンで開催されました2016 European Urological Association (EAU) Annual Meetingに於いて、"Best of Posters" Awardを受賞しました。
Title:「Impairment in Activities of Daily Living after radical cystectomy among elderly aged over 80. Assessment based on 6778 cases」
先進国において「高齢化」という問題は現在進行形で、医療界においても今後ますます大きな問題となります。日本においては2015年で人口の26.7% (339万人)が65歳以上であり、驚くことに2050年には日本人の38.8% (377万人)が65歳以上になると予想されています。2060年には2.5人に1人 (40%)が65歳以上ということになります。
「手術」という治療方法はこの高齢化自体が様々なリスクとなります。そして侵襲が大きい手術ほど入院期間も長くなり、術後のADL低下につながります。泌尿器科領域におきましては、特に膀胱全摘除術でこれが顕著に現れます。臨床的に悩ましいのは、血尿のコントロール、他の代替え治療(TURBTや放射線治療など)の抵抗性などから、例えば80歳の高齢者であっても膀胱全摘除術が選択されることがあります。前述のように今後ますます高齢化へ向かう日本社会においては、こういったケースがますます増加する可能性があります。このたび、膀胱全摘除術後のADL低下に関して研究しましたところ、多変量解析の結果、高齢者、comorbidity index、病院の年間手術症例数が膀胱全摘除術後のADL低下に影響する独立した有意な予後不良因子でした。年齢が80歳以上は60歳代と比較して3.3倍のリスク増加を認めました。これは浸潤性膀胱癌の治療方針を説明・決定する際に、医師側と患者様側とで、よく議論すべき内容であると思います。
今回の受賞に際し、直接ご指導頂いた杉原先生をはじめ、多くの先生方にご助言を頂きました。各先生方と東京医科大学泌尿器科学分野の皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
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