第八回シミュレーション寺子屋&学習デザイン工房を開催しました。
2015.05.15 16:18
投稿者 : 阿部 幸恵
カテゴリ : 開催記録
5月14日(木) 第八回シミュレーション寺子屋&学習デザイン工房を開催しました。
寺子屋14名+Skype中継3箇所の方にご参加いただきました。工房は参加者の応募がなく、開催されませんでした。
今回の寺子屋の授業参観では、阿部著のシナリオ集(冬編)の敗血症性ショック(血液分布異常性ショック)の症例をとりあげました。対象は、救命救急センターの3から3から4年目の看護師さん4人です。シナリオ集では、新人さん用の目標と課題になっていますが、それを先輩用に修正して行われました。目標を①患者の初期評価ができる。②初期対応ができる。としました。1年目が受け持っている高熱で入院した患者の様子がおかしいと新人看護師に相談されて患者の元に行くという設定です。
まず、患者さんの基礎情報や入院時の検査データから問題を分析して、患者に何が起きているのかを予測するグループワークから始まりました。
そこで、敗血症ショックの病態生理をしっかりと学習して、患者の元で初期評価を行いました。1回目のデブリーフィングでは、事前に予測したことと、実際に観察できたことにつながりがないことに気づき、予測したことを患者の観察に結びつける重要性を学びました。
事前に学んだ敗血症の病態生理について、シナリオ集の「おさえておきたい基礎血知識」 の資料を元に、どうして、末梢が温かいのか、どうして、血圧がさがるのか、血液分布異常とはどういう状態なのか、ほかのショックとは何が違うのかなど基礎的な知識を再度学習しました。2回目のシミュレーションで1回目のデブリーフィングをいかして、観察を行ったあい、初期対応まで進みます。2回目のデブリーフィングでは、初期対応で行うべきこと、新人看護師に指示すること、同僚などに応援依頼をして、実際に何を依頼して対応するのかなど、先輩としての判断と対応について学習しました。
3回目のシミュレーションとデブリーフィングで、病態生理・解剖から考え動くを体現する仕上げのシミュレーションでまとめました。このシナリオで、日ごろあまり振り返ることの少ない病態についてじっくりと振り返り、論理的に考えて行動する大切さを学ぶことができたようです。
授業参観後のディスカッションでは、動くことを重視して振り返るのではなく、どのような専門的な知識を使って、予測したか、考えて行動したかといったことを振り返ることの大切さと専門家として、常に病態生理や、最新のガイドラインを学習することのできるシナリオ作りの重要性について話しました。新しい方がもいらしていて、活発な議論となりました。
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