教授メッセージ

 2003年に東京医科大学病院に内視鏡センターが創設され、2016年12月より我々は消化器内視鏡学分野の教室として新しく発進し、内科系研修医や学生に消化器内視鏡学会学教育を担当するようになりました。徐々に医局員が増え、今回このホームページを設立することとなりました。
 本教室が新たに発足した背景には昨今の消化器内視鏡分野において、消化管癌の早期診断技術の向上、さらに内視鏡的技術の進歩により食道・胃・大腸癌の低侵襲な内視鏡的治療の件数が増加していること、さらに2016年4月より胃癌検診に内視鏡検査が導入されるなど今後内視鏡診断・治療の重要性が増していることが挙げられます。このような状況の中で、私共東京医科大学消化器内視鏡学講座はより高度で患者さんに優しい内視鏡診療を目指して、日々検査や研究に取り組んでおります。
 当教室は消化管分野の外来検査を中心に業務を行っております。最新機器を用いた詳細な内視鏡検査・診断とともに、今後は健診や人間ドックにおける内視鏡検診も行っていく予定です。また、極細径スコープを用いた経鼻内視鏡、UPD(内視鏡挿入形状検出装置)を用いた安全で客観性の高い大腸内視鏡やAIを取り入れて、苦痛が少なく、診断精度の高い内視鏡検査を実践しております。
 臨床での業務だけではなく、日々の臨床での疑問を生かしながら、臨床研究にも重点をおいて取り組んでおります。現在消化管分野での様々な領域の臨床試験が進行しており、論文発表も数多く行っております。
 また、この度医学教育推進センター長を拝命することとなり、教育分野にも力をいれております。当教室の教育理念は消化器内視鏡領域(スクリーニング、精密検査、病診連携地域医療等を含む)における基本的な研究能力を持ち、人間味にあふれる消化器内視鏡専門医として活動することができる指導者の養成を行うことです。医療面接、身体診察に加えて、各種内視鏡所見から疾患の病態を推測し、鑑別疾患を考え、診断を確認していく臨床推論、さらに消化器内視鏡治療の実践と教育を担当しています。また新専門医制度では「消化器内視鏡専門医」、「消化器病専門医」および「胃腸専門医」を多く世に送り出すことにも力を注いでおります。当教室は入院診療を行っておりませんが、消化器内科学講座や関連病院と連携することで内科専門医や消化器病専門医・消化器内視鏡専門医などの資格の取得が可能です。また、研究・学会発表にも積極的に参加してもらい、大学病院に属する教室としてリサーチマインドを持った医師を育てることにも重点を置いております。
 当教室は外来診療を主に行っているため、余裕をもって一つ一つの検査に取り組むことができ、また研究や論文作成にも時間を使うことができます。多様化する社会の中で、医師も様々な価値観で働き方、生き方を選ぶ時代となっております。今までのような働き方ができなくなっても医師のキャリアは終わりません。当教室は一人一人のニーズにあった働き方を提供できる職場と考えております。
 多くの先生方が当教室の戸を叩いてくれることを、教室員一同お待ちしております。

消化器内視鏡学
主任教授 河合 隆

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