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当教室の小林正武講師らは、MRAに関する大規模臨床試験(RALES試験・EMPHASIS-HF試験・EPHESUS試験)のデータを用い、機械学習を活用することで、MRAの有効性を個別に予測できるツールを開発しました。
例)
• 50歳男性
• 高血圧・糖尿病あり
• 体重 90kg
• 収縮期血圧 110mmHg
• 心拍数 90bpm
• LVEF 20%
• eGFR 55 ml/min/1.73m²
• 血清Na 130 mEq/L
• 血清K 3.5 mEq/L
例えばこの条件の患者さんでは、MRAを投与することで心血管死や心不全入院のリスクを約46%低下させることが示されます。
本研究成果は European Journal of Heart Failure に掲載されています。
臨床現場でのMRA処方判断の一助として、ぜひご活用ください。

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