ICC (International CTEPH Conference) は慢性血栓塞栓性肺高血圧症 (CTEPH) において、米国および欧州の診療やガイドラインに大きな影響を与える学術集会です。今回、ICC 2023(9月29-30日、サンディエゴ)に参加し、講演してきました。
同学術集会は2年おきに開催されていましたが、前回ドイツでの会合は新型コロナ感染症の流行のためweb開催でした。今回は4年ぶりの現地開催です。
カリフォルニア大学サンディエゴ校はCTEPHに対する外科治療である血栓内膜切除術(PEA)発祥の地です。現在でも欧米ではPEAがCTEPH治療の第一選択ですが、日本はPEAが少なく、バルーン肺動脈形成術(BPA)が広く行われています。今回当院の特色であるPEAとBPAのコラボレーション治療、中でもPEA前リスクリダクション目的で行うBPAに関して当院での成績を発表しました。なお、PEA前にBPAを行った症例の予後は良好である旨のデータに関して、本年当院心臓血管外科の先生方とともに論文化していますが(Interdiscip Cardiovasc Thorac Surg. 2023 Mar 2;36(3):ivad031. doi:
10.1093/icvts/ivad031.)、今回の発表は臨床での実際を報告しました。さらに、別セッションでの症例検討会においてもPEAとBPAで治療した困難症例の発表を行い、アジアや欧米の専門家達と白熱したディスカッションを行いました。
BPAは日本で発展した治療で、欧米ではまだまだ馴染みはありません。海外の専門家達は当院からの報告に興味を持ってくれたと思います。
記載:山下淳 (カテーテルインターベンショングループ)
トム・クルーズ主演の映画「Top Gun」の撮影が行われたバーで、撮影が行われたのと同じ方向から写真撮影をしました。
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