
会長挨拶

このたび第14回耳鼻咽喉科手術支援システム・ナビ研究会を担当させていただくことになり、大変光栄に存じております。この研究会は当時の金沢医科大学、友田幸一教授を代表世話人として14年前に発足しました。耳鼻咽喉科に導入され始めたナビゲーションシステムについて検討する目的でしたが、最近では手術支援機器やそのシステム全体について広く意見交換する研究会となっています。企業側も展示や口演で参加し、ハンズオン・デモンストレーションなどでシステムをその場で把握できるよう計画されています。
今回の特別企画は、教室で症例を重ねつつあるロボット支援手術を取り上げる予定です。「ロボット技術の医療への応用」というタイトルで二つの特別講演を計画しました。お一人は工学院大学工学部機械システム工学科の高信英明准教授で、ロボットを使った診療や教育の工夫など広い応用についてお話し頂きます。もう一人は、ダビンチのご経験が豊富な東京医科大学泌尿器科の吉岡邦彦教授で、ロボット手術の準備から応用までの具体的な方策をご講演頂きます。これからロボット手術を計画される方にとって有益なお話になるものと思います。一般演題では、ナビゲーションシステムのほかシミュレーションモデル、手術研修プログラム、画像処理ソフト、新しい手術関連器具の工夫などが発表されると思います。
コンピューターと精密機器の発達が耳鼻咽喉科医療に大きく貢献してきたのは疑いもない事実です。とくに耳鼻咽喉科の手術は顕微鏡下、内視鏡下、肉眼手術などアプローチ法も多彩で、手術の発達にMEが寄与する割合が高いといえます。このような機器が発達するまでは耳鼻咽喉科の解剖や手術操作がわかりにくく、耳鼻咽喉科の面白さを学生や研修医に理解してもらうのが困難でした。入局希望者が減少している昨今、進歩した機器による診断・手術の面白さを積極的にアピールしていく必要があります。とりもなおさず、このような機器の進歩が低侵襲で安全性の高い手術を可能にし、患者に益するところ大となるわけです。
医局員全員で鋭意準備を進めておりますので、研修医など若い先生も含む多くの方々のご参加を心からお待ち致しております。
東京医科大学耳鼻咽喉科学教室 鈴木 衞
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