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第1回インストラクショナル・シミュレーション研究会が開催されました。

投稿者 : 阿部 幸恵

阿部 幸恵

カテゴリ : 開催記録

2014年11月30日に参観者32名をセンターにお迎えして、第1回インストラクショナル・シミュレーション研究会が開催されました。この研究会は、日本医療教授システム学会と日本シミュレーション医療教育学会は両理事会の同意を得てシミュレーション医療教育の開発・普及を目的とした研究会です。

午前中は、研究会の設立趣旨とインストラクショナル・シミュレーションについて、池上敬一先生(獨協医科大学越谷病院救急医療科)が説明とレクチャーを行った。
その後に、阿部幸恵(東京医科大学病院)から看護教育とシミュレーション教育の動向、武田聡先生(東京慈恵会医科大学救急医学講座)から医学教育とシミュレーション教育の動向がレクチャーされた。どちらも、より、学習者中心の教育に変化していかなければならない現状とその中で、どのようにシミュレーション教育を実践していかなければならないのか、そして、現在の課題などが説明された。

           <池上敬一先生>        <阿部幸恵>            <武田聡先生>
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午後からは、ショーケース形式で、阿部、鈴木義彦先生(自治医科大学メディカルシミュレーションセンター)、小澤知子先生(東京医療保健大学医療保健学部看護学科)、池上先生の順で、それぞれの立場からシミュレーションの実際が紹介された。
阿部は、手軽に作れる在宅の設営を使って、医師と看護師が糖尿病の患者の自宅を訪問するというシミュレーションを紹介した。
鈴木先生は、医学教育の視点から、救急車で来院する前の数分で、何を考え、何を準備するのか、そして、患者が搬送されてからの3分間で何を診るのかといった、どこの施設でも応用可能な形のシミュレーションを紹介した。

         <阿部幸恵 看護教育>                <鈴木義彦先生 医学教育>
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小澤先生は、新人教育の視点から、業務の段取りシミュレーションを紹介した。実際に臨床で新人指導にあたっている参加者に体験してもらい、大掛かりな設営や準備をすることなく、机上で行える業務を組み立てるシミュレーションの大切さを説いた。
池上先生は、エキスパートの技・習慣を学ぶメンタルシミュレーションを紹介した。今までは、実際に行動するシミュレーションが主とされてきたが、
思考のトレーニング(メンタルシミュレーション)が行動の前提となる重要なトレーニングであることや、病棟にこだわらず、在宅やその他の場でのシミュレーショントレーニングも今後は導入して行く必要があるという示唆を与えるショーケースであった。

    <小澤知子先生 新人看護職員対象>      <池上敬一先生 急変予測と迅速対応>
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ショーケースの後には、参加者がそれぞれに興味のあるテーマを掲げて、以下のような7つのワーキンググループが立ち上がった。今後はこのワーキンググループで、実践や研究を行い、第2回目以降の研究会では、それぞれの取り組みを共有して、シミュレーション指導者としてのスキル向上を目指していくことを誓い、閉幕となった。
【ワーキンググループのテーマ】
基礎教育、急変前臨床推論、教材デザイン、メンタルシミュレーション、指導者育成、
臨床と基礎教育をつなぐ実践と研究、臨床に役立つ研修の企画

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