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第28回 欧州心臓・胸部外科学会に発表しました

投稿者 : 心臓血管外科

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EACTS 2014 in Milan 参加報告

 28回 欧州心臓・胸部外科学会 The 28th Annual Meeting of the European Association for Cardio-Thoracic Surgery (EACTS 2014)  1011日から15日までイタリア・ミラノにて開催されました。ミラノの気温は日本より低く、シャツにジャケット着用で少し肌寒いぐらいでした。一方で会場は欧米諸国より多くの心臓血管外科・胸部外科医が集まり、日本からも多くの先生方が参加され、熱気に包まれていました。

 会場は大きく Acquired Cardiac DiseaseThoracic DiseaseCongenital Heart DiseaseVascular Disease に分けられ、それぞれの会場では Presenter に対して多くの質問が飛び交っていました。

私の発表は赤い円形の絨毯を囲むように椅子が並べられ、中心で Presenter が Presentation 2分行った後に、Discussion 6分という Discussion 中心の発表形式でした。緊張も相まって Discussant の質問は???な感じで時間より早めに終了。(ご想像におまかせします)

学会主催の夕食会では、私と学年の近い国内の他大学の先生方とも話す機会があり、その中の先生が優秀演題に選ばれ食事会で表彰されておりとても刺激となりました。

最終日は朝から San Rafaele 病院を見学。Edge-Edge Mitral plasty で有名な Alfieri 先生の病院です。驚いたことに大きくはありませんが建物1つが循環器系の棟となっていて、地下の手術室は心臓血管外科専用で5部屋、扉を挟んでカテ室という構造で完全に循環器センターとなっていました。この日は学会中であったことから Alfieri 先生は不在で Open Mitral repair は見ることができませんでしたが心臓チームの手術は LVAD-implantationAVRCABGMitral clip と縦 2件ずつ計 4件行われていました。Mitral plasty で有名な病院で、イタリア全土より症例が集まってくることもあり年間約 400例の Mitral の手術を行っているとのこと。そのうち 60例ほどが日本ではまだ行われていないMitral clipの手術で、この日も行われていました。手術室に入ってまず驚き。透視はなんと C-arm。日本は Hybrid OR なしではステントグラフト内挿術も行えなくなってしまいそうな勢いですが、こちらはそのような制約とは無縁なよう。それもそのはず、手術は専門チームで行われており、経食道エコー専門の循環器内科の先生による詳細なエコー画像と、透視を組み合わせることで外科医と内科医が相談しながら手術を行っていて、私たちにもエコー画像を見ながら丁寧に説明してくれました。他の開心術は指導医前立で若手医師が手術を行っていました。若手女性医師の先生も LVAD implantation の手術を行っていましたが、とても上手で驚きました。イタリアの手術室は土地柄かみんな楽しそう。ワイワイしながら手術していました。一方で、指導医が術者の若手医師をしかる場面も。こちらはやはり万国共通です。

今回のイタリアでの経験は国内学会に参加するのとは一味も、二味も違う経験をすることができました。今後これを糧にさらなるステップに歩みを勧めようと思います。(文: 藤吉 俊毅)


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