Diary  後期研修医日記

後期研修医通信4号

声の主 : 宮下 竜伊

カテゴリ : 本院 八王子 茨城 関連病院

ご無沙汰しております。気が付けばもう入局後1年。え、1年?またまたぁ、うそでしょ。そういうウソ、嫌いじゃないよ!え、嘘じゃない?そうですか...。さて、気を取り直して、ここ半年を振り返りかえって行きましょう。

10月に長野県は上高地に赴き、東京医大上高地診療所に4日間勤務して参りました。今でこそ、多くの山岳に診療所が開院され、日本の登山とそれを支えるスタッフの方々の応急処置にあたっていますが、その中でも東京医大上高地診療所は日本初の山岳部診療所なのです。そんな歴史ある診療所は、上高地バスターミナルに隣接し、観光客の方や地元スタッフの方の怪我や風邪などの初療を行っています。10月は紅葉の走りで、少し奥に進んだ唐沢あたりの紅葉が見ごろの時期でしたので、バスターミナルはそれなりに混雑していました。そのため、観光客の方から地元施設のスタッフの方まで幅広く来院されたのですが、捻挫の対応や指先外傷の処置など、普段の内科診療ではあまり触れない疾患に出会い、貴重な経験となりました。

と、いいつつですね、患者さんを診ながらも、健康的な生活でありました。朝6時起床、1時間ほどかけて大正池や明神池まで散歩、その後は診療所管理人さんの美味しい朝ごはん、日中は診療と合間を縫って梓川を眺め、夜6時には夕食をとり、いいころ合いに床に就く。どうですか、忙しい日常を離れ、たまにはいいものです。

10月の上高地は長袖に上着が合うころ合いで、日向を探して歩くのがちょうどいい暖かさでした。朝晩は冷え込んでいて、淀んだ空と木立の合間の草原には霜がおり、一瞬雪景色と見まがうばかり。空よりも澄んでいる梓川は、昼間になると晴れ上がった空気を反射して輝き、朝とは違った美しさを露にします。

上着を着て診療所を出立してしばらく歩いていると熱がこもって体がほてってくる頃あい、目の前にはアイスクリームの幟。思わず小銭入れに手が伸びて気が付いたらクリーミーでいてさっぱりとした甘さが口に広がっていました。全部食べて帰ろうとすると、隣にコロッケ...。甘いもの食べたらしょっぱい物も食べたいですよね。河童の絵が描いてあるかわいいワサビ味のコロッケでした。

何しに行ったのだ、と怒られますが、とてもよい経験になりました。また、機会に恵まれましたら是非赴任したいと思います。

上高地 全景.JPG

上高地 霜.JPG

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