センター紹介

 漢方医学センターは、患者さんの一層の症状改善と生活の質向上を目指すため、新病院開院に合わせて新規開設されました。日本の伝統医学であり、現代医学的な視点と異なる漢方医学の診断や治療法を十分生かし、患者さんのお役に立てるよう鋭意診療にあたっています。
 スタッフは現代医学におけるそれぞれの専門分野の上にさらに漢方を研修、全員が漢方専門医の資格を持つ漢方医学のエキスパートです。
 漢方医学センターは、当院通院中の患者さんを中心に、漢方治療の併用でさらに症状や体調を改善していただくことを第一の使命としています。その意味で、安心して漢方治療を受けていただくため現代医学的検査を十分行い、正確な診断を行うことも重視しています。
 現代医学的治療と漢方治療を組み合わせた医療を統合医療と呼びますが、統合医療によってより良い治療効果が発揮されると考えています。つらい症状の一層の改善や体調管理の一環として、漢方の知恵をぜひご活用ください。

スタッフ(2024年4月1日現在)

センター長  及川 哲郎

医師数  常勤 4名
     非常勤 3名

漢方医学の診察法 ※詳細は大学病院漢方医学センターのHPへ

脈診

舌診

腹診

診療体制と実績

 現在、平日午後(月曜は隔週)に漢方外来を開設しています。図に示すように、さまざまな主訴の患者さんが受診されました。漢方治療の向いている症状を下記に挙げました。
1)冷え症
2)虚弱体質による体調不良、体力低下
3)老化に伴うさまざまな症状
4)アレルギー性疾患の症状軽減、体質改善
5)生活習慣病など慢性疾患の症状軽減
6)西洋医薬品(抗がん剤など)の副作用の軽減
7)各診療科の標準治療で十分改善しない諸症状など

患者さんの主訴(2019年4月~2022年12月のまとめ)

主訴(重複あり)は腹痛など消化器系が79名と最多で、以下腰下肢痛など整形外科・疼痛系72名、倦怠感63名、しびれ40名、めまい38名、更年期障害36名、冷え症34名等でした。

学会誌・メディア掲載

東京医科大学病院 漢方医学センターのご紹介
出典:『漢方の臨床』第67巻第12号 巻頭言

第32回漢方治療研究会、オンラインで開催
出典:『漢方の臨床』第69巻第11号(2022)

センター紹介Movie

学会などのトピックス

■2025年3月13日
臨床漢方セミナー開催

 耳鼻咽喉科疾患をテーマに臨床漢方セミナーが行われました。戸田中央総合病院の平澤一浩先生から耳鼻咽喉科疾患全般の漢方治療についてレクチャーがありました。各領域別に大変分かりやすく解説していただいたので、初学者の方を中心に勉強になる内容だったと思います。耳鼻咽喉科は耳鳴りやめまい、花粉症や副鼻腔炎、咽頭違和感や上気道炎など漢方治療の適応になる疾患が多い診療科のひとつであり、今後も漢方の出番は増えていくでしょう。

■2025年5月15日
第128回東京医大臨床漢方セミナーが行われました

 テーマは「冷え症・疲労」、どちらも漢方治療の重要な対象です。でも臓器別の講義ではなかなか取り上げにくいため、今回まとめて講義することにしました。当院産科婦人科と漢方医学センターを兼務している班目有加先生には冷え症の漢方治療について、そして及川が疲労の漢方医学的考え方と治療に用いられる漢方薬について講義を行いました。冷え症・疲労の治療は臓器別の西洋医学では対応しにくい分漢方が有用、もっといえば独壇場ともいえます。ぜひ漢方をうまく取り入れて頂ければと思います。おかげさまで今回も盛況で100名近い参加者がありました。

■2025年6月6日~6月8日
第75回日本東洋医学会学術総会が開催されました

 漢方医学領域で最大の日本東洋医学会年1回の学術総会、今回は東京・新宿の京王プラザホテルで開催されました。今回はコロナ前の2019年以来6年ぶりに、ライブ配信やオンデマンド配信が一切ない完全対面開催で行われました。会場の賑わいが戻りリアルな質疑応答も活発で、やはり学会はこういう雰囲気がよいなあと改めて思いました。新宿は東京医大おひざ元、当院からもシンポジウムを含め4つの演題が発表されました。懇親会も通常開催となり大きく盛り上がりました。来年の第76回総会は漢方の盛んな富山市で開催予定です。

■7月17日
第129回臨床漢方セミナー開催

 定例行事の臨床漢方セミナー、テーマは痛みでした。今回は矢数芳英先生の1時間ロングバージョンで、八味地黄丸、牛車腎気丸、五積散、疎経活血湯、抑肝散、桂枝茯苓丸といった頻用処方を中心に、時間を十分とってわかりやすく講義していただきました。慢性・難治性の疼痛に漢方薬は有用であり、ぜひ多くの先生方に試していただきたいと思います。今回は110名以上の参加がありました。

■8月22-24日
第42回和漢医薬学会開催

 和漢医薬学会は漢方薬や生薬に含有される成分に関する研究や漢方薬の作用メカニズムに関する研究を行う研究者が集いますが、漢方薬を用いる漢方医学は医と薬が非常に近いのが特徴の一つで、近年よく聞かれるtransrational researchすなわち基礎と臨床の橋渡し研究が特に重要な領域です。そうした願いが込められているのでしょう、広島大学を会場に行われた今年の大会のテーマは「漢方Next Stage 基礎と臨床の融合」でした。参加者数、演題数はいつも以上に多く、質疑応答は大変活発に行われ懇親会も大盛況でした。和漢医薬研究の更なる盛り上がりを期待したいと思います。

■9月18日
臨床漢方セミナー開催催

 定例行事の臨床漢方セミナーが行われました。今回のテーマは消化器領域でした。本学内視鏡センターの岩田英里先生からヘリコバクターピロリ除菌後に残存する消化器症状に対する漢方治療のお話を頂いた後、及川が消化器科領域の漢方治療を概説しました。消化器に効く漢方薬は六君子湯や大建中湯が有名ですが、これ以外にも非常に多くの処方があります。できるだけ多くの先生方に知って使っていただけるよう、今後も本セミナーを含めた様々な機会に解説していきたいと思います。

■10月5日
第35回漢方治療研究会

 東亜医学協会主催の研究会で、始まった当初は湯液治療研究会という名前でした。今ではマイナーになってしまいましたが、漢方本来の煎じ薬による治療の症例報告を中心とした本格的な学術集会です。今年は東北大学が主管し、「症例と経験の継承 ~なにをどう伝えるか~」をテーマに仙台市の東北大学病院で開催されました。この研究会ならではの貴重な症例・考察を掘り下げた発表や活発な質疑応答がなされました。当センターからは及川が一般演題の座長を担当しました。

■10月17日
ファンモアタイム新宿2025に参加

 「FUN MORE TIME SHINJUKU」は西新宿地区の認知度向上をはかり、訪れる方々に楽しい西新宿を体験していただくため、道路や公開空地等を活用したイベントです。今年で4回目の実施となります。アート巡りスタンプラリーや多くのキッチンカー出店、さまざまな展示販売などのイベントが行われ、東京医科大学病院もアイランドタワー広場の一角で健康相談ブースを出展しました。漢方医学センターもこれに協力し、コラム記事配布や漢方相談を行いセンターのPRに努めました。

■11月20日
臨床漢方セミナー開催

 定例行事の臨床漢方セミナーが行われました。今回のテーマは呼吸器疾患でした。当院感染症科科長・教授で当センター兼務の渡邉秀裕先生から、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなどに関する最新情報の提供とともに、感染症を中心とした呼吸器領域の漢方治療について講演がありました。また非結核性抗酸菌症の治療に補剤を活用できる可能性も示して頂きました。漢方医学はもともとインフルエンザなどの呼吸器感染症治療から始まりましたが、近年では補剤も難治性呼吸器感染症の治療に用いられ、漢方薬の応用範囲は広がっています。今後の新たな展開が楽しみです。

■12月7日
東京医大漢方医学センターだより合冊版刊行

 当センターは伝統ある専門誌『漢方の臨床』誌に「東京医大漢方医学センターだより」という連載記事をメンバーが交代で毎月執筆しています。このたび連載50回を迎えたことを機にこれまでの合冊版を作成しました。2021年4月の連載開始から足掛け5年ほとんど休載なしに続けることができたのは、ひとえに漢方医学センターに集うすべての先生方の漢方診療に対する熱意、研究心の賜物と思います。まとめることがよい振り返りにもなりました。連載50回は一つの区切り、今後は100回さらにその先へと続くよう漢方医学センターのメンバー一同さらに研鑽を重ねて行きたいと考えています。

■1月15日
臨床漢方セミナー開催

 定例行事の臨床漢方セミナーが行われました。今回のテーマは漢方薬の副作用でした。緩和医療部の遠藤光史先生と産科婦人科/漢方医学センターの班目有加先生より漢方薬による副作用をきたした症例をご提示頂いた後、麻酔科/漢方医学センターの矢数芳英先生より漢方薬の副作用全般についてレクチャーがありました。漢方薬は副作用がなく安全と考えられがちです。一般論として現代医薬に比べ漢方薬の方が副作用は少ないとはいえるでしょうが、副作用が全くないわけではありません。稀ですが間質性肺炎のような重篤な副作用もありますので、漢方薬を処方する側も服用する側もそういった意識を持っておく必要があります。当院漢方医学センターではこれからも、患者さんの安心安全を第一に考え診療を続けてまいります。

■1月22日
医学部学生の漢方医学実習

 今年も医学部3年生の漢方医学実習が行われました。漢方医学の診察法である舌診・脈診・腹診を実習してもらったり、鍼灸で重要な経穴(いわゆるツボ)を自分で体験したり、実物の生薬サンプルを見て触れて香りをかぎ味わい、2種類の漢方薬の試飲もするという、まさに五感を総動員して漢方医学を体感し学んでもらうものです。外部の先生方にも助っ人をお願いしつつ、漢方医学センターのスタッフも総出で指導に当たりました。この時期は座学とテストが多いこともあってか、漢方医学実習は学生にとても好評でした。勉強のし過ぎ?か肩こりの強い学生が特に多く、肩こりのツボ押しではあちこちで痛て~とか、う~といった悲鳴?が聞かれました。自分の体や健康状態に対するよい気づきにもなったようです。

■2月20日
新年会兼送別会

 新年会と平澤先生の送別会を行いました。
7名が集まることはなかなかないので貴重な1枚です。

業績集

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