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神経疾患

 小児神経専門医4名、てんかん専門医3名、子どものこころ専門医3名、頭痛専門医1名を擁し、より専門性の高い診療を心がけております。長時間のビデオ脳波記録や発作性疾患の診断、治療に取り組んでいます。NICUや遺伝子診療センターとも協力し、新生児期から切れ目のない医療、療育体制を心がけております。また、児童精神科、臨床心理士と共に神経発達症(発達障害)の診療や心身症の診療も行っております。他施設とも研究会や勉強会などを通して連携し、様々な疾患について学ぶことが可能です。
 研究においては、West症候群などのてんかん性脳症や急性脳症の病態を免疫学的に解析し、治療に繋がるような研究を心掛けています。また、抗てんかん薬などの各種薬剤による免疫機能の影響の研究、血管新生因子の中枢神経感染症への関与なども検討しています。本学の基礎の先生方や他大学とも共同研究を行い、臨床研究のみならず基礎的な研究にも取り組んでいます。

膠原病(自己免疫疾患)、血管炎症候群、自己炎症疾患、免疫不全症

 膠原病・リウマチ性疾患(自己免疫疾患)は若年性特発性関節炎,小児のSLE,若年性皮膚筋炎(若年性炎症性筋炎)などを始め種々の疾患に対し、リウマチ専門医などが診療にあたっています。
 小児の血管炎症候群は、川崎病とIgA血管炎(Henoch-Schonlein紫斑病)が多いですが,それ以外にも高安動脈炎、結節性多発動脈炎、ANCA関連血管炎などの診断・治療に当たっています。新病院ではPET-CT検査もできるようになり、血管炎の診療を行う上で大きな助けとなっています。
 自己炎症疾患はPFAPA症候群が最も多く、家族性地中海熱、クライオパイリン関連周期性症候群など,周期性発熱を示す疾患を診療しています。他にもCRMO(慢性再発性多発性骨髄炎)などの症例もあり、種々の自己炎症疾患を診ています。
 免疫不全症は複合免疫不全症、液性免疫不全症(X連鎖性無ガンマグロブリン血症など)、好中球異常症など種々の免疫不全症の診療にあたっています。
 発熱が長引いてなかなか下がらない、あるいは数日で熱は下がるが発熱発作を繰り返すといった周期性発熱を示す症例に対し、血液検査だけでなく必要に応じてCT・MRIあるいはシンチといった画像検査や遺伝子検査などを併用し、稀な発熱疾患も含めた原因の究明に努めています。また、必要と考えられた症例に対して、生物学的製剤を用いた治療を実施しています。

アレルギー疾患

 食物アレルギーに対して、アレルギー専門医の下、経口食物負荷試験を積極的に行っています。経口食物負荷試験の実施件数は、例年200〜300件にのぼります。当科では血液検査の結果だけではなく、食物経口負荷試験の結果に基づいた診断、食事指導を行うことが、お子様の生活の質の向上に繋がると考えています。
 気管支喘息の増悪に対する入院加療も随時対応しています。また、コントロールが悪い場合では吸入薬の吸入をきちんと行えていない可能性も考慮して、当院では薬剤師による吸入指導も行っています。
 アトピー性皮膚炎に対しては、短期間のスキンケア入院から重症例に対する1~2週間の入院治療などを行っています。薬剤師によるスキンケア、ステロイド軟こうの使い方指導を行っています。

消化器疾患

 当科は都内でも数少ない小児消化器疾患を取り扱う医療機関です。小児期発症の炎症性腸疾患は年々増加しており、内視鏡施行件数が増加したため当科自前の内視鏡設備(カプセル内視鏡含む)も保有しています。また消化器内科と協力して他院より依頼のある治療内視鏡も引き受けております。
 肝疾患に関しても積極的に検査・治療しています。肝不全例に対しては国立成育医療研究センター移植センターと連絡を密にとり移植移行へスムーズな医療を提供しております。肝生検も積極的に行っておりますが、同時に最近導入した超音波機器を用いた非侵襲的な肝硬度測定を行っており、小児での有効性について検討を進めています。

内分泌疾患

 低身長症の原因疾患の診断ならびに成長ホルモン補充療法を行っています。ターナー症候群やプラダウィリ症候群等の染色体異常症に対する成長ホルモン補充療法にも対応しています。他にも甲状腺疾患や副腎疾患、糖尿病などの各種ホルモン異常に対する診療を行っています。

感染症

 感染症は最もありふれた疾患群の1つであるとともに、小児においては急速に病状が悪化する可能性を念頭に置く必要がある疾患群でもあります。そこで当科では、気管支炎、肺炎や胃腸炎をはじめ、細菌性髄膜炎といった重症感染症に至るまで、24時間体制で受け入れを行っています。

NICU

 地域周産期母子医療センターとして地域周産期の中核を担い、年間およそ350件の新生児を受け入れております。近隣の病院や産院、助産院からの新生児搬送の受け入れ数が非常に多く、2019年度も約150件と都内28施設の母子医療センターの中でも屈指の受け入れ数となっています。
 また、2019年7月より新病院の開院に伴い、NICU 12床、GCU 18床の総数30床に増床いたしました。病棟の個室化や面会室の新設など、患者様とそのご家族のプライベートを尊重した空間となっています。
 新生児集中ケア認定看護師と周産期支援コーディネーターが中心となりファミリーセンタードケアを行い、円滑な退院調整とその後の社会的サポート支援に取り組んでいる他、臨床心理士によるご家族の心理サポートや精神発達検査など、多職種の貢献から成る質の高い医療に尽力しています。
 研究面として、細径喉頭気管支ファイバーによる気道評価、呼吸機能検査装置や横隔膜電位のモニタリングによる呼吸管理の評価、近赤外線分光装置(NIRS)やSpO2トレンドモニター、非侵襲的心拍出量モニター(エスクロン)を用いた組織酸素飽和度と各種モニタリングとの関連性の評価、慢性肺疾患を対象とした網羅的サイトカイン解析など、先端医療機器を用いた様々な研究を行い、各学会等で積極的に発表しています。また個室型NICUに伴う医療者と家族のかかわり方の検討など、看護的側面からの研究も看護師とともに取り組んでおります。