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抄読会 2019/1/21

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では、燃え尽き症候群の症状(身体的疲労、思考の疲労、感情的疲労)と他の要因(努力と報酬の不均衡、仕事の支援、神経症傾向と外向性)の関係性を検討した論文が取り上げられました。インターネット調査にて1759名のフランス人教員が調査に回答しました。統計解析の結果、すべての変数が燃え尽き症候群の症状と相関関係が認められました。さらに、重回帰分析においても、燃え尽き症候群は神経症傾向、外向性、努力と報酬の不均衡、同僚の支援と関連しており、中でも神経症傾向が影響する割合53.46%、外向性の影響が6.25%と全体の影響力の6割を占めました。現在のところ燃え尽き症候群に影響する要因は仕事の外的な要因であることが議論されておりましたが、本研究の結果、パーソナリティー要因も燃え尽き症候群に影響する重要な要因であることが示されました。本論文の抄読を受けて、燃え尽き症候群の予防のために、神経症傾向が高い人にどのような工夫ができるか?下げる方法はないのか、努力に対して報酬が十分に得られないことの影響力も無視できないのではないか、神経症傾向とストレスの交互作用もあるのではないかという点について議論されました。

Bianchi. Burnout is more strongly linked to neuroticism than to work-contextualized factors. 2018 Psychiatry Res. 270:901-905.
DOI: 10.1016/j.psychres.2018.11.015.
PMID: 30551342