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抄読会 2018/8/6

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では、思春期のうつ病発症のリスクの高い子どもを対象に反すう,不安,抑うつ症状が、12か月後のうつ病の初発エピソードおよび抑うつ症状の悪化を予測するか否かを検討した論文が取り上げられました。本研究では,イギリスの658名のうつ病発症のリスクが高い中学生(12-16歳)を対象に12か月の期間を開けて質問紙調査を実施しました。その結果,反すうの得点が高い者が,12か月後の初発のうつ病エピソードおよび抑うつ症状の重症度が高く,適応(気晴らしや問題解決の力がある)の得点が高い者は初発のうつ病エピソードのリスクが低いことが示されました。本研究の結果から、反すうの高さは将来のうつ病のリスクを高めることが示唆され,心理支援などで反すうを低下させ、気晴らしや問題解決の力を向上させることが将来のうつ病のリスクを低下させることにつながると考察されました。本論文の抄読を受けて当科では、まず、反すうの概念についての確認を行い、共有しました。その上で、どのような考え方をすることが反すうにあたるのか、反すうを頻繁にする人はどのような特徴を持つ人なのかについて議論されました。

Wilkinson et al. Rumination, anxiety, depressive symptoms and subsequent depression in adolescents at risk for psychopathology: a longitudinal cohort study. BMC Psychiatry. Oct 8;13:250.

doi: 10.1186/1471-244X-13-250.

PMID: 24103296