医局員の声

初期研修を終えて

声の主 : 戸口 未咲

カテゴリ : 本院

ケモラジ、ウルソ、ライン...略語?薬の名前?なのかな?

私の初期研修のスタートはそんな病棟で日常的に飛び交っている言葉を一つ一つ理解することから始まりました。

「知らない言葉はメモして調べる」といった教えを数週間行っていると、耳で聞いた音をそのままメモしていたため、調べても出てこないことも多々ありましたが、だんだんと会話が理解できるようになり、日々の積み重ねが大切だと実感しました。

また、カンファレンスを行うことで他の人に伝えることはもちろんですが、自分の分かっていないことが明確になったり、今は何が伝えるべき重要事項なのかが整理できたり、そのほか定期的な勉強会があったりと、知識を増やせる環境が整っていたと思います。

病棟を離れ外来で初めて初診を診ることになったとき、弱々しい言葉で説明してしまい、患者さんの顔が不信感でいっぱいだったことを記憶しています。

自分の知識が少ないと自信が持てない。自信が持てないと曖昧になる。納得してもらうためには知識量が圧倒的に少ないことを痛感。教科書的な知識はもちろんですが、治療方針は一人一人の症状によって異なることから、初診を担当し多くの症例を経験できたことは臨床力の向上につながったと思います。

最後に、次にあげる3つの言葉はさりげない会話の中で上級医の先生方がおっしゃっていた言葉です。

・縫合は考えてやるものではない

・妥協しない

・細かな気遣い

1年間の中で特に印象的であり、これから先、常に自分自身に留めておきたい言葉となっています。