医局員の声

緩和ケア講習会

声の主 : 安楽

カテゴリ : 本院

10月1日、2日慶応大学病院で開催されたがん診療に関わる医療者に対する緩和ケア講習会に参加してきました。

がんの告知、疼痛コントロール、制吐薬の使い方など、座学やロールプレイを交えて盛りだくさんな講習会でした。

特に「治療不能がんの告知」のロールプレイでは、大変考えさせられることが多かったように思います。このロールプレイでは告知をする医師役、患者役、観察者役の3つを交代で体験します。患者背景など細かい設定をしてから実習にはいるからか感情移入しやすかったように思います。患者役の時には、告知された瞬間頭のなかが真っ白になり、その後の内容はまったく頭にはいってこない状況を体験しました。

臨床の現場では、こちらがICをした内容を、患者がまったく理解しておらず戸惑うことが多くあります。患者役を体験したことにより、理解しようと思っていても理解できないんだということがわかりました。医療者側にとっては、ICは日常業務の一つかもしれませんが、患者にとっては重く大変な事実を受けとめているのだということを再認識したように思います。

手技をきわめ、知識を深めることも重要です。しかし患者が病気を理解し、納得し、主治医を信頼して治療に臨めるかどうかは私たちのIC次第です。患者様が安心して医療をうけられる環境づくりのために、私たちが注意しなければいけないことはたくさんあることを気づかされた2日間でした。