主任教授の挨拶

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主任教授挨拶

主任教授 塚原清彰

 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の扱う領域は、頭頸部腫瘍から耳疾患、鼻疾患、咽頭・喉頭疾患、音声言語障害まで多岐にわたります。各領域の疾患を主に外科的手法で治療するのが我々の立場です。耳鼻咽喉科学教室は東京医科大学が創立した1916年にその歴史が始まります。つまり、2016年に東京医科大学と共に耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室も100周年を迎えました。長い歴史をもち、耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の疾患を幅広く、高い水準で診断、治療を行える環境が整っています。
 私は2015年8月1日より主任教授に就任させていただきました。専門分野は舌癌、咽喉頭癌、耳下腺腫瘍、頸部腫瘤などに代表される頭頸部腫瘍および甲状腺腫瘍です。これまで癌研究会有明病院、東京医科大学八王子医療センターで2000例以上の手術を経験させていただきました。そして、進行癌にてやむを得ず声を失った方には気管食道シャント法による声の再獲得を行ってきました。近年発達の著しい分子標的薬、化学療法やIMRTに代表される新しい放射線治療も積極的に取り入れております。そして、これまでに多数の国内、国際学会でセミナーを担当させていただきました。また、当科が日本の先駆けとなっておりますロボット支援手術(ダビンチ手術)が先進医療の適応となりました。本邦の頭頸部ダビンチ手術は東京医科大学、京都大学、鳥取大学の3校でしか行うことができません。様々な治療方法を組み合わせ、適切に選択することで個々の患者さんの希望に沿った、より高い水準の癌治療を提供させていただくことが可能となっています。
 また、難聴、中耳炎、めまいなどの耳科疾患、副鼻腔炎、アレルギーなどの鼻科疾患、咽喉頭音声疾患は当科が伝統的に力を注いでいる分野です。難聴、中耳炎、平衡障害といった耳科学は河野淳教授、小川恭生教授、稲垣太郎講師を中心に行っています。人工内耳挿入術は当科が本邦第一号で、現在までに800例に対して行いました。平衡障害(めまい)は新しい機能検査を駆使して正確、迅速な診断を行っています。副鼻腔、アレルギー疾患は大塚康司准教授を中心に最新の低侵襲内視鏡治療を行っています。音声障害は渡嘉敷亮二兼任教授を中心に喉頭麻痺、痙攣性発声障害に対する高難度手術を行い、国内外でその治療成績が高く評価されています。
 迅速かつ安定した医療には地域の先生方と連携が重要です。周辺の先生方には常日頃多くの患者さんをご紹介頂き、改めて感謝申し上げます。毎年春と秋にはご紹介頂いた貴重な症例の報告を兼ねた研究会を開催しています。先生方におかれましては、ぜひご出席下さいますようお願い申し上げます。
 我々臨床医にとって最も大事なことは患者さんに満足していただける医療を提供することです。医療知識、技術を追求するのみでなく、患者さんの人間性に寄り添い、医療安全を大切にすることを教室員一同心掛けています。耳鼻咽喉科・頭頸部外科疾患でお困りの際はぜひ受診なさってください。

主任教授 塚原 清彰